リンゴを食べると、上乗せされた分のエネルギーで太ることもない
こんばんは、Nike Man です。
「
一日一個のリンゴは医者知らず」ということわざは聞いたことがあるのではないでしょうか?
ビタミンや食物繊維が豊富なフルーツ類は毎日積極的に摂取するようにしたいものですが、数あるフルーツの中でなぜ特にリンゴが名指しで推奨されているのか、ことわざの裏付けとなるような健康効果が明らかになっています。
アメリカで45歳以上の女性160名を対象として行われた実験で、毎日リンゴを食べると
LDL(いわゆる「悪玉コレステロール」)が減りHDL(いわゆる「善玉」)が増え、しかも、普段の食生活にリンゴを足した分だけ上乗せされた摂取エネルギーによって体重が増えることはないという結果が出たそうです。
フロリダ州立大学の栄養学・運動科学科のBahram H. Arjmandi博士らによる今回の研究は、更年期以降の女性に対する日常的なリンゴ摂取による長期的な心臓保護作用を評価した初めてのもので、その成果は4月12日にワシントンDCで開催された
Experimental Biology 2011(2011年アメリカ実験生物学会)で発表されました。
リンゴは食物繊維が豊富な果物として知られていますが、その食物繊維だけでは説明できない多大な健康効果が期待でき、身近な「ミラクルフルーツ」とすら呼べるかもしれません。
リンゴに含まれる
ペクチンや
ポリフェノールには、
脂質の代謝を促進し、
炎症性分子の発生量を減らす効果があることが、動物を使った実験ですでに明らかになっています。
Arjmandi博士らの実験では、45歳から65歳の女性の被験者160名をランダムに「リンゴグループ」と「
プルーングループ」に分け、1年間にわたり、普段の食事にくわえ干しリンゴまたは乾燥プルーンを1日75gずつ食べ続けてもらい、実験開始後3カ月、6カ月、12カ月の時点で血液検査を行いました。
その結果、「リンゴグループ」の女性たちでは6カ月の時点で平均で23%LDL(悪玉コレステロール)の血中濃度が減少し、脂質ヒドロペルオキシド(
過酸化脂質)や
C反応性蛋白(炎症反応や組織の破壊が起きている際に血中に現れるタンパク質)も減少していることが明らかになりました。
また、HDL(善玉コレステロール)濃度は4%上昇したそうです。「ここまでの効果があるとは予想していませんでした」とArjmandi博士は驚きをあらわしています。
また、乾燥リンゴにより被験者たちの摂取エネルギーは1日あたり約240kcal増えたという計算になるのですが、
これが体重増加につながることはなかったようで、実験期間中にリンゴグループの女性たちの体重は平均で3.3ポンド(約1.5kg)減少したそうです。
この減量効果は、リンゴに含まれるペクチンが満腹感をもたらす作用により説明できる部分もあるだろうとのこと。つまりリンゴで満腹感を得た分ほかのものを食べる量が減っていて実際には摂取エネルギーが240kcal増えたわけではないのかもしれませんが、「乾燥リンゴはカロリーが高いから太る」ということはまったくないようです。
今後はより大規模な実験・調査により今回の研究結果を裏付ける必要があるとのことですが、「ことわざの裏には科学的真実がある」ことを証明したArjmandi博士は、「もっとリンゴを食べるべきです。リンゴを食べることで誰もが健康的恩恵を受けることができます」と語っています。
■ Apple a Day Advice Rooted in Science(PDF)
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