食事療法と運動だけでは肥満を改善できないらしい

Nike Man2

2011年11月06日 22:40

 こんばんは、Nike Man です。

 これまで食事療法と運動が肥満治療に効くとされてきましたが、肥満改善にはその2つだけではなく、「人が自分で自由にコントロールできないホルモンの問題が大きく関係している」という研究結果が新たに出ました。
 50人の太り気味の人と肥満の人が、10週間に渡って低カロリーダイエットをしたところ、オーストラリアの研究者たちはあることを発見したそうです。

 彼らは一度は体重を減らせるものの、ホルモンのレベルも落ちてしまったのです。そのホルモンは、空腹感を増長させる働きを持っています。
 その結果、食欲が出てきてしまい、体重も元に戻ってしまったのだそう。

 その研究は50人のBMI(肥満度)が27~40という値で、かつ平均体重が95kgという肥満の成人たちを対象に行われました。

 メルボルン大学の研究者たちが、13kg程度体重を減らすことのできた被験者を調査してみたところ、食欲を調整するホルモンが変質すると結果的に1年で5kg体重が戻ってしまう、ということを発見したのです。

 この新しい発見は、先週イギリスの医学紙に掲載されました。食事療法と運動だけで健康的な体重を保てるという、これまで正しいとされてきた考え方を覆すメッセージを投げかける形となりました。


 研究者であり、著者でもあるJoseph Proiettto氏の名を挙げ、体重減に大きく寄与しているホルモンがあるのだ、という主張を展開したのです。

 「我々の今回の発見は、一旦体重を減らした肥満の人たちがどうしてリバウンドしてしまうのか、という問題を解決する糸口になった。
 リバウンドは生理学的なことに基づいている。単に悪い習慣が、自然に再開してしまった結果、リバウンドするわけではない」とProiettto氏は記事の中で述べています。

 世界中で15億人以上の成人が太り気味、4億人が肥満であるという統計があります。オーストラリアでは50%以上の女性、60%以上の男性が太り気味または肥満なのだそうです。
 さらにProiettto氏はこう話してもいます。「体重減と同時に発生する、空腹感を増幅させるホルモンに関して、もっと焦点を当てなくてはならない。長期間に渡っての薬物療法や、ホルモンを上手に操作することなどで解決する問題かも知れないが、もっと深く調査する必要がある」

 上のオーストラリアでの研究結果は、過去に別の医学誌で取り上げられたスペインの研究結果を裏付けるものとなりました。

 スペインの研究者たちによると、レプチンというホルモンのレベルが高い人とグレリンというホルモンのレベルが低い人はリバウンドしやすい、というのです。
 これは今年はじめに出た情報です。


 なお、レプチンは食欲と代謝を調整するホルモン、グレリンは下垂体に働きかけ、成長ホルモン分泌を強めるホルモンです。

 最後にスペインの研究者たちによると、数人の内分泌学者と栄養士たちが、体重が減少していく中でホルモンがアンバランスな状態になるのはどうしてなのか、研究し始めているとのことです。
 これは気になる情報! 研究結果が待ち遠しいですね。


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