アメリカの脳神経学者ダニエル・アメン博士が6万6000人以上に脳のスキャン検査をして比べた結果、ダイエットと脳のタイプの関係が明らかになってきました。
「空腹」「満腹」というサインは脳が出すため、脳は人々の食習慣と強い相互関係があります。特に、食べすぎてしまうときにはそれぞれのタイプの特徴が強く出るそうです。そのためタイプ別にどんなダイエットプランが一番効果があるのかが分かるのだとか。
今回の研究で、博士は脳のタイプを4つに分けました。それでは、それぞれのタイプを詳しく見ていきましょう。
■強迫観念型
このタイプの人は食べ物のことが頭から離れなくなり、食べることに関しての強迫観念をコントロールできなくなってしまう傾向にあります。そのため夜中に起きて何かを食べたり、心を落ち着けるためにお酒を飲んだりすることがあります。また、眠りにつきにくいこともあるでしょう。
脳スキャンによると、強迫観念型の人は脳のACGと呼ばれる部分が活動的すぎるそうです。ACGは注意を別のところに向け、変化を受け入れる働きをしますが、ここが活発すぎるとネガティブな考えや行動から抜け出せなくなってしまいます。これはセロトニンの低下が原因だと考えられています。
強迫観念型の人に効果的なのは、炭水化物を多く含む食事。反対にたんぱく質を多く食事はこのタイプの方には向きません。運動はエアロビクスを取り入れるのがベスト。
強迫型の人は変化が苦手なため、好きなエクササイズが見つかったらそれを続けましょう。5分くらいの運動で十分だそうです。
他にはセロトニンレベルを上げるサプリ(セントジョーンズワートやビタミンBなど)を飲むのもよいそうです。脂肪が体に蓄積してしまうので夜中に食事を摂らないように気をつけましょう。
■衝動型
強迫観念型の人のように食べ物のことについてずっと考えるわけではないにしても、このタイプの人は食べ物を見ると食べずにはいられなくなってしまいます。
脳スキャンでは、PFCの活動が少なくなかったそうです。PFCは脳のブレーキのように働き、判断力、計画性をつかさどるところです。うまく働けば食欲をコントロールできますが、そうでないと集中力が続かない、判断力に欠ける、衝動的といった問題が出ます。
ドーパミンの低下がPFCの活動を弱めると考えられています。
そんな衝動型の人におすすめなのは、タンパク質が豊富な食生活です。
好きな運動をすることで血液の流れを活発化し、ドーパミンを増やすことができます。
強迫観念型の人とは違って、衝動型の人は30分以上のエアロビが必要です。
他にはヨガも効果的。瞑想をすることで集中力が高まりPFCを強化させます。
そしてよりよい決断ができるようになり衝動的になりすぎるのを防ぎます。
■感情型
女性の中では一番多いのがこのタイプ。ストレスを発散するために、気分が落ち込んでいるときに食べてしまいます。このタイプはエネルギーがなく、罪悪感、無力感、無価値観に襲われ、ネガティブで自信がない人が多いです。PFCの活動が衝動型のように弱いので、食事に関して誤った決断をしてしまいがちです。
感情型の人は、高タンパク、高炭水化物の食事は避け、魚や新鮮な野菜とフルーツを摂りましょう。なかなか運動をしたいと思えないかもしれませんが、運動は抗うつ剤よりも脳の活動を改善するのに効果的です。ひとりでする運動よりは、ダンスなどの人とのかかわりがある運動が良いでしょう。
そして睡眠をたくさんとり、家族や友達とのコミュニケーションをとりましょう。人とのつながりがこのタイプの人にはとても重要です。
■不安型
不安や恐怖を食べ物で発散してしまうタイプ。パニック、恐怖、自己喪失に悩まされることもあり、最悪の状態をいつも予想してしまう傾向があります。
脳スキャンによると、脳幹神経節の活動が活発になっていたそうです。そのため不安な考えが、行動や気分にも影響してしまいます。大きな不安があると、気持ちを落ち着ける効果がある糖分、高炭水化物の食べすぎにつながります。
このタイプの人にはマクロビオティックのような玄米や野菜を多く含む食事が良いでしょう。適しているのはヨガや太極拳などです。リラックスして瞑想し、横隔膜で腹式呼吸をするのが効果的です。
脳のタイプでダイエット方法を変えるという斬新なアイディア。自分のタイプを把握して、ベストな食生活、エクササイズを生活に取り入れることで、痩せやすくなるだけでなくリバウンドも防げるそうです。あなたも試してみてはいかがでしょうか。
■ Wise up to lose weight - MailOnline