身動きの取れない彼はみんなの笑い者になった上に、全員が降りるまで20分も待ち、恥ずかしながらも車掌に助けを求めるはめになります。それから無事に座席から脱出するまでにはさらに15分を要したそうです。
しかも悲劇はこれで終わりませんでした。
彼のおかげで列車が遅れてしまい、ブランドンさんは追徴料金まで請求されてしまったのです。恥ずかしくも悔しい思いをした彼は心機一転、自分のライフスタイルを変え、ウェイトコントロールのレッスンを受けようと決意したのでした。
■彼の意思は硬かった
結果、彼は5年で101キロものダイエットに成功。体重を103キロまで減らすことができました。193センチの彼には問題のない重さです。
そして現在。ブランドンさんは仕事を変え、ダイエットのコーチを生業にしています。人生まで変わってしまったんですね!そんなスリムになった彼が当時はまってしまった電車の座席に座ってみたのが上↑の写真、というわけです。彼はこう言います。
「肘掛けが完全に私を押さえつけてしまい、お尻はぎゅうぎゅうにはまっていました。
今考えれば驚くことはないですけどね。あの頃の私はとても巨大でしたから。
けれども、あまりにきまりが悪かったので他の乗客には誰も助けを求めませんでした。
でも気付かれていたろうなとは思っています。電車が止まるまでずっと座って待っていて、最後に車掌に”動けないんだ”って助けを求めました。」
ですが、車掌さんは冷たかったのでした。
「彼は本当に失礼でした。お前のせいで電車の運行が遅れて、障害を引き起こしているって言うんです。車掌は私を引き抜こうとしてくれ、私もお尻をゆらしながら席から抜け出そうともがきました。そんなことを10分か15分は続けていたと思います。
彼は最後に、”決してシートには座るな”と言って出て行きました。」
■今ではダイエットのコーチに
遂にダイエットを始めようと思い立ったブランドンさん。まずは短い距離を歩くことから始めたといいます。
それから地元のダイエットクラブに入り、更に40キロほど痩せました。
そして今年の4月、ようやく目標の体重に到達したのです。
程なくして彼は今回の自分の経験を生かし、ダイエットのコーチに転職し、現在は13のグループに加入している300人の減量の手助けをしています。
ちなみに彼が行ったダイエットは「ウェイトウォッチャーズ・ダイエット」という方法。
「ウェイトウォッチャーズ方式では誰でも痩せることが可能ですので、試してみてほしいですね。
私は2ヶ月前パーティーに行ったのですが、母親が私のことがわからなかったんです。
自分の息子だって理解するのにしばしかかったみたいですよ。」
と、ブランドンさんは笑うのでした。
ちなみに、ウェイトウォッチャーズ・ダイエットとは、ウェイトウォッチャーズ社が提唱しているダイエット方法で、食品にポイントを付けて食事の量を制限していく方法。
日本ではあまりメジャーではありませんが、時間をかけて確実にウェイトをコントロールする方法として、世界30カ国で利用されているんだそうです。
まあ、体重200キロですからね…。下手な関取並の体格はあったでしょうね。でも、恥ずかしくて辛い思いをしたからこそダイエットを頑張る原動力になったんじゃないでしょうか。
そういう意味では、あのときの車掌さんに彼は感謝しなくてはいけないのかもしれませんねぇ~。
■ Fat man got stuck in train seat - The Sun